■ 第一回・由布市全国神楽大会 レポ ■







「太平楽」 たいへいらく (平石神楽座・由布市庄内町)


天孫降臨を成し遂げ、天下太平を謳歌する舞。





…というと、ゆったり優雅な舞なのかと思いきや…

白装束の4人が扇から剣へ、剣から扇を振りかざし、華麗に、そして勇壮に舞う!!





…か、かっこいい…!! 変化に富んだ舞にもう目が離せない! くぎづけ!!






囃子に合わせて流れるような動きがかっこいい…!

シンプルに白装束一色なのも、動きの華麗さが際立っていい…!







「神逐」 かみやらい (重岡岩戸神楽保存会・大分県佐伯市)


今回見た中で個人的に一番好きかも…!

悪さばっかりしてた乱暴者のスサノオが、八百万の神々によって高天原から追放される舞。



まず登場するは、4人の、色とりどりの装束をまとった高天原の神々。全身で、舞台狭しと舞い踊る、鮮やかな色のめくるめく競演…!! この衣装がまた秀逸だと思う…! このシルエット、配色、完璧すぎ…! かっこいいかわいい…!

アマテラスの忠実な部下? といった感じで、クールに冷徹に任務を遂行。かっこいい…! またクールなだけでなく、健気で一生懸命な感じがかわいい。何度スサノオにやられても、しつこく食い下がる不屈の精神…! 何このかわいさ…! 4人で一体のようなチームワークっぷりもかわいい…!






やんちゃで俺様な感じのスサノオがかわいい…!

それに対して、冷静沈着、軽くあしらう八百万の神々がクールでかっこいいというこの構図!


「がっはっは、スサノオさまだぞー!」

「………」(無視)

(注:セリフは私の心の中のセリフです)





「えいやっ! おまえなんかこうしてやる!」

「………」(あくまで目は合わさず手だけで防御)





「えーい! 無視するなー!」





…と、いきなり不意を付いて一斉にスサノオに襲い掛かる神々!

「!? おうおうやる気か!?」





激しい攻防!





柱のように並び立ち、通せんぼする(?)神々







じろじろじろじ―――っ。じわじわ舐め上げるかのようにメンチきるスサノオがかわいい。






「オラオラどけよコラ、俺様が誰だかわかってんのかコラ」

田舎の不良かヤンキーか…といった感じのスサノオ。





ついに追い出されるスサノオ……

追い討ちをかけるように執拗に追っ払う神々…なんかスサノオかわいそう…?







…と思ったら、戻ってきた!

「おうおう、おまえら、いい気になってんじゃねーぞコラ! 調子に乗ってんじゃねえ!!」

ハエでも追っ払うかのように神々のおしりをピシピシはたいたり、大暴れ(客席大爆笑)





……しかし、ついにスサノオは追放されてしまったのでした。




このお神楽は、とにかく登場人物の一人一人の動き・しぐさがコミカルだったりかっこよかったりかわいかったりで、楽しいです! ずっと見ていたい…! スサノオの、あのかわいさ…! ぴょんぴょん軽快なステップで出てきて、ぴたっ!! と、決めポーズ! キッと敵をにらみつけて、かっこよく首をまわして注目を集めるようなしぐさ! 「どうだ! えっへん! 恐れ入ったか――!」みたいな。

なんていうか、動きが動物的な感じもします。…猫好きは猫のしぐさを眺めてると、永遠眺めてても飽きないと言いますが(私もです)、神楽の動きもそれに近いものがあるような…? えーと、おじいちゃんおばあちゃんが孫がかわいくて目に入れても痛くない…みたいな?

あと、剣さばきとか、もー、むっちゃかっこいい…! お神楽の剣さばきって、なんであんなかっこいいんだろう…! ちょっと刀を抜くだけでも、くるくるくる…しゅぱっ! って……


それにしてもスサノオって、このエピソードだけじゃなくて、大蛇退治とかいろんなエピソードがあって、悪者扱いされたり、英雄扱いされたり、忙しい神様ですよね。奔放で、ワルで、ちょっと(?)怖いけど、頼りになる男……そしてユーモラス。そんな男が昔から日本の庶民のヒーローだったんだね。ジャイアン的な? ドラえもんは、昔の日本だったらジャイアンが主人公だったかもなぁ…なんて思ったりしました(どうでもいいですね、すみません)



まだ続きます

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