小祝神社 岩屋神楽講奉納 レポ



2011年1月4日、大分県中津市の小祝神社のお祭りにて、岩屋神楽講さんの奉納を観てきました





年末年始神楽フルコースの旅も最終日のこの日、おとなしく朝から帰宅の途につこうとしていたら…  「あ、そうだ、今日、中津で道神楽があるんだった。観てく?」と、突然思い出した神楽友達。 奉納は、豊前市の岩屋神楽講さん。それはぜひ観てみたい! そっちの方の地方の神楽って、今まで あまり観る機会がなかったもんだから、一度観てみたかったんだよね。

しかも、今回は「道神楽(みちかぐら)」といって、舞台の上ではなく、路上で神楽を行うという、 なかなか珍しい独特の神楽。もちろん私は観るの初めて! 豊前や宇佐など、福岡と大分の県境付近の神楽って、 若い女性の追っかけファンなど元気がよくて、舞い手も観客も仲が良くて盛り上がっているって噂に聞いてて、 イベントや大会の出演などでは感じ取れない、そういう地元での奉納の雰囲気をぜひ味わってみたかったんですよね。






中津の小祝神社

ここを拠点に、町内7ヶ所ほどまわって、「神迎(かんむかえ)」という道神楽を舞うそうです


 


開始を待ってるうちに、お昼時に。近くの唐揚げ屋さんで唐揚げを買ってきて、いただきまーす

め、めっちゃおいしい…!! 衣はサクサク、中はふっくら、味付けも絶妙で、食べだしたらとまらないおいしさ!  神楽友達に聞いた話、唐揚げが有名な中津市民のみなさんは、唐揚げは家庭では作らず、買ってくるものという 認識なんだそうな。その方が、早くて安くておいしいから。確かに、こんなおいしい唐揚げ屋さんがあちこちに あるんだったら、それも納得です。



 


神社の裏手ににゃんこ発見! ふくふくしてて、かわいかった…(ほんわか)





そうこうしてるうちに、そろそろ出発するようです


 


軽トラの荷台にお神輿を乗せて、ぞろぞろ歩いていきます。とある路地に来たところで…





道端の適当なところにお神輿やお囃子を設置したりして…

何の変哲もない路地ですが、ここで舞うようです。





神官風の一人、長槍を持った一人、腰に刀を携えた毛頭の二人が厳かに行進


 


細い路地の両側にはりつくように、ずらっと観客が立ち並んで見つめます





この神楽の主役っぽい、神官が舞い…


 


おおお! 路地の端から端へ、結構な距離を、ぐんぐん走ります!





あっ!! あっちの曲がり角から、突然鬼が現れた!!


 


にらみ合う神官と鬼…緊迫!! この、ごく普通の路地に、ごく普通の日常に、

突然、非日常が紛れ込んできた…なんか、すっごい不思議な感じ…わくわくする!!





御嶽流の神楽でいうところの「地割」と同じく、天孫降臨の場面を題材にしたこの神楽





この鬼は、猿田彦大神


 


高天原から降りてきた天孫降臨の一行と猿田彦が出会い、





はじめは、お互いに、敵ではないかと警戒し、敵対し合います


 


路地の端から端へと走り回り、すれ違いざまに斬り合い…

このロケーションを存分に使って、ダイナミックに繰り広げられる神楽に引き込まれます!





天孫降臨御一行と、次々対決する猿田彦。対決のさなか、観客の赤ちゃんを抱っこしたり。

鬼に抱っこしてもらうと縁起がいいのはどこの神楽も一緒?





路地のあっちこっちに飛び回り対決する演者たちをくるくると目で追って…


 


わ〜こりゃ楽しい〜!

以前、神楽大会で、舞台上だけで繰り広げられるこの神迎神楽を観たときには、正直、 ちょっと退屈に感じちゃったのですが、こうして道神楽として観ると、全く印象が違うのにびっくり。 やっぱこの神楽は道神楽であってこそ、このロケーションも含めての神迎神楽なんですね。






それぞれにかっこよく立ち回り、切れ者ぞろいといった感じの天孫降臨御一行





あっ、最初の鬼が引っ込んで、続いて新たな鬼にバトンタッチ!

なんか奇妙な動きで、妙に気になる存在(笑)





でえええぇえりゃあああああ!!!  とばかり、全力疾走で襲い掛かってきます!


 


子供を抱えたまま戦ってみたり…なかなか鬼さん、やりますね





ちっちゃい子が群がって、ふざけて鬼さんの気を引こうと…?





わ〜〜〜〜〜!! こっち来た〜〜〜!!

まさにクモの子を散らすようにいちもくさん逃げる子ども達、めっちゃ楽しそうです(笑)





真剣に対決してみたり、子どもを追っかけてみたり(遊んでるように見えるが…)


 


どこかユーモラスな雰囲気のただよう鬼さん、

嫌よ嫌よも好きのうち、で、子ども達に好かれてるみたい





あっ! 天孫降臨御一行のひとりが…ピンチ!?





待て、私が相手だ!! とばかり、仲間のピンチに助けに入る長槍のおじさん、かっこいい!!





最後は全員総当りの乱闘が繰り広げられた末…





何がどうなったのか、天孫降臨御一行と猿田彦は、和解したみたい?





猿田彦が先導し、仲良く綱を引いて行進です


 


終わった終わった〜、さぁ、次〜! って感じで、撤収する神楽講のみなさん。

さらに細〜い路地を、荷物抱えて次の奉納ポイントへと移動していくのでした。


 


中津のお土産の数々。

@中津出身・福沢諭吉にちなんで一万円札模様をあしらった「大金持ちあられ」 Aビスケットとまんじゅうの 夢のコラボレーション!! 「ビスマン」 B名古屋のものとは一味違って、しょうがの風味が香ばしい「ういろう」

というわけで、道神楽、楽しかった!! こんなの初めて観た! ライブ感、自分達も同じ空間に参加してる一体感、 日常から突如非日常の世界に巻き込まれ感がたまりません。大分の、他の地域の神楽も、道神楽でやってみたら、 いつもとまた一味違って新鮮でおもしろそうだなぁ…なんて思ったりして(笑)



おしまい