■ 臼杵 福良天満宮夏祭り レポ ■






酒樽をよいしょよいしょと運んで来る手なづち足なづち。


 


と、腰をいわしてずっこけちゃう手なづちばばさま。いたわって、

おんぶしてあげる足なづちじじさま。優しい…! 仲良し夫婦です。


 


スサノオ、酒に薬を盛ります。

さぁ、これで準備完了、あとは大蛇を待つのみ!


 


灯りが消え、真っ暗な神楽殿…今か今かと大蛇が現れるのを待ち、カメラを構えていると…


おばあちゃん 「写真撮るのもいいけど、口押さえとかんと、えらいことになるよ」

私 「?」 まわりを見渡すと、客席のみなさん、みんなハンカチなどで口を押さえています。

私 「!!」 次の瞬間、立ち込める煙!! うっ…すごい硫黄臭です!! あわてて口を押さえる私。


みなさん、毎年のことでお馴染みなのか、準備周到、通ですね…!

そして、闇の中、大蛇が登場!! 赤い光に照らされて、妖しくうごめく大蛇…





お酒を飲み干し、ぐうぐう眠ってしまう大蛇。そこに、スサノオ参上!!





繰り広げられるバトル…





ついに、大蛇の首を討ち取りました…!! 花火のスパークと共に、華々しく勝利!!





はー楽しかった! スサノオ、櫛稲田姫、お幸せにね!

もう深夜11時近くですが、境内にはまだ人がたくさん。


 


ついに最後の演目です… 「多神柴引」 何人もの荒神様が、観客達と柴を引き合います!





舞台客席入り乱れて、最後のどんちゃん騒ぎ! 女のコ達も自ら、抱っこして〜!

私も私も〜! とばかり、荒神様に迫る! あっ…そ、そんな、思いきり抱きついちゃったら、

荒神様もドキドキしちゃうよ(笑) 観てるこっちが照れちゃう! 女のコ達、積極的!


「多神柴引」も終わって、本当に最後の最後、納舞も終わって…二日間観てきたお祭りも、ついに終わりです…。は――…お、終わった…。どっと疲れと、無事終わった安堵感、そして、めいっぱい楽しんで、すがすがしいような、さみしいようなこの感じ…(しんみり)

二日ともご一緒していただいたおばあちゃんとも、お別れのごあいさつ。お会い出来て、ご一緒できて嬉しかったです…! 本当にありがとうございました。またお祭り観に臼杵に来たら、会えるかな…?

名残惜しいけれど…まだ祭りのにぎわいの余韻が残る福良天満宮ともお別れです…。本当に素敵なお祭りでした。舞台上も客席も、境内中、いつも笑顔があふれてて…。神楽って、神様に楽しんでもらうために奉納されるってよく言いますが…神様は、神楽や祭りで楽しみにぎわう人々の笑顔を見るのが楽しみなんじゃないかな…。そんな、神様のあたたかい視線に包まれているような気がしました。






翌朝、臼杵を発って、大阪へ帰ります。

二日間ありがとう、臼杵! お世話になりました…!


は――…二日間、本当に濃い旅でした…! 力の限り、燃え尽きるまで楽しんできました…!(笑) いろんな出会いがあったり、思ってもみないような出来事に直面したり、思いきっていろいろ挑戦してみたり…すごくいい経験になりました。

また、神楽大会とは違った、地元のみなさんに愛されてきた、地域に根ざした神楽というものの片鱗を感じることが出来てよかったです。私はまだまだ神楽について…神楽というものそのものについても、そして神楽の現状についても、知らないことばかりだなぁと、思い知らされもしました。いいこと悪いこと含めて、考えさせられることもいろいろありました。そんなことも、これからの神楽ファン活動に、活かしていけるといいなぁ。


そんなわけで、おまけ考察


= イベント・大会・公演神楽と奉納神楽の違い =

(あくまで参考例で、全ての場合に当てはまるものではありません)

イベント・大会・公演 奉納
 ・万人向け  ・難易度高め
 ・有料の場合が多い  ・無料の場合が多い
 ・わかりやすい配慮
  (司会進行・解説・パンフレット)
 ・説明なし、いきなり始まり、いきなり終わる
 ・鑑賞環境がいい  ・座席、空調等はないつもりで準備が必要
 ・お客さんとして安心して観ていられる  ・一人一人が祭りの一員、
  みんなで盛り上げてこその意識が問われる
 ・観客みんなが神楽が好きで、
  神楽が観たくて来ている
 ・祭りに来た人には神楽に興味ない人も。
  真剣に舞う楽員さんのそばで、無関心・
  無神経な態度・言動を見かけると、ファン
  としては心穏やかでないことも…
  (当の楽員さん達は慣れっこ?)
 ・限られた時間で限られた演目のみ
  (良く言えば、いいところをかいつまんで
  観れる)
 ・たくさんいろんな演目を観れる
  (悪く言えば、中だるみも)
 ・音響、照明がいい  ・←あまり期待してはいけない…
 ・舞台との距離感、断絶感
  あくまでお客さんという距離感
 ・一体感、舞台との近さはこの上ない
  (しかし観客が少なすぎる時は気まずい…)
 ・衣装、小道具が真新しい  ・←古びている


思いつくまま書いてみましたが…あくまで私の印象なので、あまり当てにはならないかも…。今回の旅だけでなく、今まで観てきた全ての神楽を通しての印象です。というか…極端な例をとりあげているので、全ての場合にあてはまるものではありませんし、場合によっては逆の場合もあります。

と、すみません、ちょっと話が横道それましたが…とにかく、本当に充実しすぎなくらい充実した、楽しい旅でした! 重岡岩戸神楽保存会のみなさん、福良天満宮のみなさん、臼杵のみなさん、本当にありがとうございました! そして、ものすごく長いレポになってしまいましたが、ここまで読んでくださったみなさん、お付き合い本当にありがとうございました!


あ、最後に、本当にどうでもいい個人的な余談をひとつ…

たくさんの出会いに恵まれた今回の旅。これも神楽のご利益かな? と…最後の最後、帰りの飛行機の中でもまだご利益が? たまたま席が隣同士になった見知らぬおじさんと、何だか会話に花が咲きまして(私、人見知りなので、本当に今回の旅みたいなことは今までにないことなんですが) おじさんは、大分に別荘を持つ大阪在住の方だそうで(その落ちついた物腰、余裕のある気さくさといい、お金持ちの重役さんっぽいですね…)

おじさん「今から大阪へ旅行?」 私「あ、いえ、大分を旅してきて、今から大阪に帰るところなんです」 おじさん「へ〜、そうなの。なんか大阪の人っぽくないなぁと思って」 私(はは…大阪弁しゃべれないこともあって、よく言われるのよね)「あ、実はもともと大分出身で…」 おじさん「やっぱり? そんな感じしたんだぁ〜」

はは…喜んでいいやら…田舎者っぽいってこと?(←大分の人に失礼) なーんて…すみません、あまのじゃくはやめます、正直嬉しいです(笑) 大分に住んでた子供の頃は、何かと不便で娯楽も少ない田舎な大分に不自由さを感じることばかりでしたが(当時NHKの他民放2局しかTV局がなかったり)、神楽や、郷土の文化の大切さ、素晴らしさを知った今となっては、誇りに思う大事な心の故郷です。



おしまい