■ 第33回 全国高等学校総合文化祭 郷土芸能部門 レポ ■







神々相手に暴れ放題暴れる埴安の神。


ついに天児屋根命は怒って、埴安の神に追放を言い渡します。

今まで暴れて手のつけられない乱暴者だったのに、追い出されて、

しおらしく、めそめそ泣き出す埴安の神…


なんだか埴安の神が不憫でかわいそうになってきましたよ…





天児屋根命は埴安の神を許して、各季節90日から四季の土用18日を引き

それを合わせた合計72日を与えることにします。





よかったね、埴安の神! みんな仲直り?





仲良く舞いながら、一斉に退場です





埴安の神もノリノリです♪ 嬉しそう!





めでたし めでたし





わ〜!! 盛大な拍手に迎えられる由布高のみなさん。


迫力の演技・舞を見せてくれていたみなさん、お面をとると、

みなさんまだ幼さの残る普通の高校生で…なんだかとても初々しいです。


素晴らしい神楽でした! よくきっちり15分に短くまとめられたなぁ…

埴安の神の、喜怒哀楽を全身で表現する、素直で率直で愛嬌ある神様像と、

冷静に埴安の神をいさめる神々のクールでかっこいい対比がいいですよね!


短すぎて、「も、もっと観たい…!」という欲求不満はかなり残りますが(笑)、

楽しかったです…! ありがとう由布高のみなさん!!





客席のみなさんにも、庄内神楽、楽しんでいただけたかな?





栃木県、神戸市の高校の和太鼓が続きます。


衣装や舞台芸術含め、これから時代劇映画でも始まるかのようなドラマティックな

雰囲気あふれる演出、精悍なバチ捌き…迫力あるリズム…本当にかっこいいです!





富山県立南砺総合高校平高校による、越中五箇山民謡

「こきりこ・といちんさ・早麦屋・麦屋節」

民謡の歌い手の女の子の、声めっちゃいい声! よく響いてのびやかで…!





女の子の踊りめっちゃかわいい…! やっぱり若い女の子の民踊はいいですね…!





男の子の踊りは、傘を使って、独特な動きがとってもユニークです。おもしろい…!





愛知県、岡山県の、元気いっぱいの和太鼓演奏が続き…





いったんお昼休憩です。

ホールの外では伊賀の土産物など販売しています。


帰り道も長いし、ここらでもう帰ろうかとも思っていましたが…

やっぱり、結果発表が気になるし、ええい、最後まで見ちゃおう!





しかし…この観客数に、お昼を食べるところが近隣施設の1ヵ所しかないですと…!?


高校生達は、会場で支給された特製弁当(高総文祭特製パッケージ)を食べてます。

う、うらやましい…!(笑) 唯一の食事処はめっちゃ混んでて、どうしようか迷いましたが、

しかたないので、何校か観るのをあきらめてお昼ご飯することに。


おいしくて、サービスもよくて、落ちついて食事できる雰囲気でいいお店でした。





秋田県立男鹿海洋高校による、「なまはげ太鼓」!

女の子達によるかわいい太鼓演奏が始まったと思ったら…いきなりなまはげ乱入!!

客席に押し寄せ、子どもをおどしたり大暴れ! 高校生とは思えない堂に入ったなまはげっぷり!





静岡県、宮崎県の和太鼓の演奏で、全ての発表は終了です。

このあと、一時間後に、審査結果発表・表彰と、閉会式です。





…が、審査が長引きに長引き、予定開始時刻を1時間過ぎても、始まらない閉会式。

しびれを切らす会場の高校生達。…と、そこに、立ちあがったのは沖縄の高校生達!

勝手に舞台に上がりこみ、三線片手に歌い踊り始めます…!





いいぞいいぞー! 沖縄! 会場大盛りあがり!!





みなさんご一緒に! 会場が手拍子や、ウェーブに包まれます!

この盛り上げっぷり、さすが沖縄! すごいエンターテイナー魂ですね!





さて、沖縄の高校のおかげで会場も暖まったところで、

予定時刻を大幅に過ぎて、閉会式開幕です。


最優秀賞は、熊本の高校の和太鼓でした!


といっても、昨日の発表だったので、私は観れてないんですが…(T_T)

入賞は、昨日・おとといの発表校が多くて…今日も素晴らしい発表ばかりだったのに、

もっと上をいく素晴らしさだったなんて…すごい! 高校生って、本当すごいです!


由布高校は残念ながら、今年は賞を逃してしまいましたが…由布高の舞う神楽は本当に庄内神楽の心を脈々と伝える素晴らしいものですし、難を言えば、15分で見せるために、もうちょっと見せ方とか、演目の編集・演出を工夫していけば、もっともっとその良さを伝えられるものができると思います。

今回、15分しかない中、時間短縮で華やかな見せ場の舞を短くカットしたため、問答のシーンが時間配分的に長めに感じられて…ちょっと動きが少なくて地味な印象になってしまったかも? あと、舞台が神楽殿とは違って、上にも横にも空間が広くて、ちょっと隙間を感じてしまったかな…。他の高校は、背後に垂れ幕を用意したり、空間を埋める工夫をしてましたし、そういう工夫は必要かもしれませんね。あと、照明効果も…舞台全体を明るくしてしまうと、神楽の持つ雰囲気を打ち消してしまうような…?

神楽自体はすごくいいのに、うまく良さが伝わらなかったのかなと思うと残念で、どうしたらもっと良くなるんだろうと、いろいろ考え込んでしまいました。神楽殿のようなしめ縄をはるとか…あと、これはたしか駄目だって審査員の方がおっしゃってたような気がするけど、舞台上に、神楽を舞うための段を一段高く設置するだけでかなり違うと思いますが…ルール的に駄目なら仕方ないか…。舞台上であまりバラバラに広がらずに、もうちょっと狭い範囲にかたまって舞うとか…空間を埋める意味で、今回出演してなかった控えの子達がけっこういたみたいだし、その子達も烏帽子・狩衣を着て、その他の八百万の神々として、モブとして後ろに並び立ったりとかどうだろう…?(和太鼓演奏の大人数の迫力の後では、人数が少ないだけでちょっとさみしく見えちゃいますし)

すみません、無知なもので、深く考えずにいろいろ書いてますが、「それは駄目でしょ…神楽の常識的にありえないでしょ」っていうような見当違いなこととか失礼なこと書いてたらすみません…。

由布高のみなさん、神楽の舞・演技自体、素晴らしいものを持っているのは間違いないですし、15分で見せるのが難しい演目にあえてチャレンジする素晴らしいチャレンジ精神も持ち合せていますし…きっと、これからもますます素晴らしい神楽を見せてくれることを期待して蔭ながら応援させていただきたいです。これからも、自信を持ってがんばってください…!






帰り道、会場近くのバス停でバスを待っていて、同じく高総文祭から帰宅中のおじさんと意気統合(笑) いろいろお話が出来て楽しかったです。おじさんは、三重からはかなり遠くにお住まいだそうなんですが、4、5年前から毎年この大会は観に来ていらっしゃるそうです。由布高のことも、「去年もすごかったけど、今年もよかったな〜。今年もこりゃ(入賞に)いくぞと思ったんだけどな〜」と、すごくほめてくれて嬉しかった〜。「去年とまた演目が違ったし、いくつも演目ができるのもすごいよね」とも。ありがとうおじさん…!

最近、神楽や郷土芸能、祭りを通じていろんな出会いがあって嬉しいなあ。もしかして、福良天満宮で柴引の神様にいじってもらったおかげで、人との縁が強くなったのかな…なんて思ったりして…あの時の柴引の神様、ありがとう!(笑)


もー、とにかくよかったです、全国高校総合文化祭! どの学校も本当に見応えがあって…一人一人の郷土芸能にかける熱意のパワーが、一体となって迫ってくる感動! 全国から集まった、個性様々な郷土芸能のエッセンスを短い時間に凝縮して見せていただいて…とても濃い1日でした!

郷土芸能って、本当にいいなぁ…! そしてそれを若いみなさんが、一生懸命、楽しみながら取り組んでいることに感激です。みんな、いきいきとして、いい子達ばかりだよ…! この大会、来年は宮崎で開催…ということで、ちょっと行くのは難しそうだし、今年行っておいてよかったです。高校生のみなさん、お疲れさまでした。素晴らしい発表を見せていただいて、本当にありがとうございました!



おしまい