御嶽流夜神楽 レポ






シークレット、その演目は「返し矢」!

日本神話の、国譲り〜天孫降臨のエピソードより、ちょっと前のエピソードです。


出雲の大国主達の手で統治されていた葦原中津国。高天原の天照大神は、それを平定して自分の息子に治めさせようと考え、下界(中津国)に使者を送ります。しかし、使いの天の菩比(あめのほひ)は、3年たっても帰って来ません(実は大国主に寝返ってしまっていたのでした) そこで今度は天若日子(あめのわかひこ)を下界に遣わすのですが…

しかし、この天若日子がまた、なかなかのくわせ者だったのです。下界へ降るや、大国主の娘を妻に娶り、ゆくゆくは中津国を我が物にしようと企んでいたのでした。若日子も行ったまま、8年もの間、音沙汰が無いので、天照大神達は、様子を探らせるべく1羽のキジを遣わします。しかしそのキジを、若日子は、地上の神々を平定するべく高天原で賜わった弓矢で射殺してしまいます。

キジを射た矢は、高天原の天照大神達の元まで飛んできました。高御産巣日神(たかみむすびのかみ)は、若日子の矢とわかり、血がついているのを見て、「若日子が命令通り地上の荒ぶる神を射た矢なら、若日子に当たるな。若日子に邪まな心があるなら、この矢に当たって死ね」と言って、矢を投げ返します。そして、その通り、若日子は矢に当たって死んでしまうのでした。






そんな返し矢の物語ですが…神楽では、この物語のどのあたりを表現しているんだろう…





鈴と扇を手にした緑の衣の2人の武者が登場し、続いて一段と格の高そうな赤い面の神が登場。





そして剣の武者が2人登場。





いろんな神々が登場して華やか! わくわくしますね!

知識不足のため、観ていても誰が誰だかさっぱりなのは切ないところですが…





剣の武者達の舞





そして上座の神が立ちあがり舞う!





赤い面の神が、緑の衣の武者達に弓矢を与え、かわりに武者は扇を捧げます。





扇を両手に舞う神!





不思議な神楽です。配役がわからないから余計にそう感じるのかもですが…

赤い面の神は高御産巣日神? 緑の衣の武者達は、天の菩比と天若日子?

いや…そうすると、2人が地上に降りた時点の3年の差はどう説明するのかという問題が…(神楽だから、細かいことは気にしなくてもいいのかもですが) 単に若日子が弓矢を賜り下界へ向かう場面を表わしているのかな? 若日子も、1人で下界へ降り立ったわけじゃなくて、軍を率いて行っただろうし…






大御所の(?)神が退場し、立ち上がり向き合う武者達。





弓矢を手に、剣を手に、舞う武者4人…かっこいい!!





四方へ向かって武器を構え、武器を構え…



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