御嶽流夜神楽 レポ






地上の神々を平定するぞと意気込み、下界へ向かう若日子達…かな?





勇ましく、軽やかに…統率の取れた舞…かっこいい!





初めて観ましたが、返し矢、かっこよかった…!

着面の神、素面・烏帽子の弓矢の武者、素面・毛頭の剣の武者…と、たくさんの様々な神々が登場して華やかです。大分の神楽を観ていると、その衣装によって、その登場神の舞は大体のパターンが決まっている…といった感じですが、これだけいろんなタイプの神々が登場すると、舞も華やかでめくるめくかっこよさですよね。





重岡岩戸神楽さんの天孫降臨に登場する若日子

そして、古事記の中でも好きな若日子のエピソードが神楽で観れて嬉しいな。そうそう、余談ですが、由布市全国神楽大会の重岡岩戸神楽さんの「天孫降臨」で、冒頭に登場した神は、若日子なんだそうです。なるほど! 誰だろう誰だろうと思ってましたが、若日子とは思いもよらず、最近教えてもらってびっくりです(そうとも知らずに絵に描いてたのがこれ ↑) 若日子といえば、色男でしたたかな策士だけど、高天原の大いなる力の前にあえなく散ってしまう悲劇のヒーロー(?)なイメージです。






さぁ、いよいよ今日ほぼ最後の演目「高御座」(たかみくら)です。

(最後の〆は納舞の「大神」) 庄内神楽などの「国司」(くにつかさ)に当たる演目。

しかし…返し矢のあたりから、デジカメのバッテリーがやばくなってきた!! うわ〜!!

初めて観る高御座。庄内神楽の国司が大好きなので、楽しみにしていたのに…!!





武甕雷神(たけみかづちのかみ)・経津主神(ふつぬしのかみ)が登場。

高天原の、中津国平定計画第2弾。今度はこの2神が、下界に遣わされます。

今度はやる気満々の2神。圧倒的な力を見せ、大国主に国譲りを迫ります。





と、この2神がもう、ひたすらかっこよくって大好き!

この後登場する、おちゃめな道化役の天鳥船神(あめのとりふねのかみ)、

通称チャリとのギャップがまたたまらないのが、この演目の魅力です…!

武甕雷神・経津主神の舞が、かっこよすぎる…!!(しかし無念すぎることに、もはやデジカメバッテリーが息絶え絶えで、動きの激しい場面はうまく撮れず…) すごく統制のとれた、息ぴったりの舞…!! 演者のお二方、双子か、はたまた親友同士か…!? と、思うくらい美しくそろった舞…すごい!! かっこいい!!






わ〜〜こんな舞、観たことない! 地面すれすれまで身を傾け…このしなやか美しさ…!!

しかし…ここでデジカメのバッテリーが完全に再起不能に…!! そ、そんなぁぁ〜〜!!!(号泣)

しまった…丸1日の奉納などと違って、全5時間の公演だから…と、油断して、最初から飛ばしすぎた…。だって、御嶽神楽があまりにも素晴らしすぎたものだからもう…! 観ながら常に写真か動画を撮ってましたよ…一瞬たりともスキがなくて、片時もカメラを手放せなくて…!





すみません、鳥船の顔は覚えてないので適当です…


高御座、よかった…!! この後、鳥船が登場して、武甕雷神・経津主神の真面目最強武神コンビの前で、空気も読まずにおどけてやりたい放題。ずっこけたり、舞台に寝転んでくつろいでみたり、客席に乱入したり…。おとぼけ仕草で客席を沸かせます。

そして武甕雷神・経津主神コンビにちょっかい出して、威嚇されたりする鳥船。このやりとり、かわいくて好き! マイペースであほだけど、にくめない鳥船と、かっこよくて強くて生真面目な武甕雷神・経津主神の凸凹トリオ…最高!!

おバカな道化役ですが、鳥船も、ちゃんと役目があって登場するのです。国譲りに同行し、大国主の息子、事代主を探しに行って連れてくる…という大事な役目を果たすのですが、それはまた、後のお話…って感じ? 「高御座」では、武甕雷・経津主・鳥船が下界へ向かうまでの話なのかな? 「国司」では、その後地上に降りてからのエピソードまで続くのですが。


(追記)

わ〜〜すみません、間違えた〜〜!! 御嶽神楽では、素面の武者コンビが武甕雷&天鳥船、そしてチャリ…というかチャル(御嶽流ではチャルと呼ぶんですね)は大国主なんだそうです! び、びっくり…! 同じ題材の演目で、神楽団体によってキャラにこんなに違いがあるなんて、不思議でおもしろいですね〜。すみません、もっと勉強しなきゃ…(^∀^;)ゞ






そして…ついに最後、「大神」(たいじん)、一人で舞う納舞です。





出番の終わった楽員さんも舞台そでから顔をのぞかせて、みんなで、さーえっさーえっさー!!

声をはりあげて、これで最後だ、みんなでやりきろうぜ! って感じの、この一体感…いいな!


御嶽神楽さんは、楽員さん達の雰囲気があったかくって、いいなぁ。お互い笑顔が絶えなくて、本当に楽しそうで。息ぴったり、抜群のチームワーク、信頼感で舞ってらっしゃる感じが、見ている方まであったかい気持ちに。それでいて、なぁなぁでなく、舞はしっかり決める、妥協を許さない完成度!(本番までの厳しい下積みがあるからこその、舞台でのこの笑顔なんでしょうね) 本当に素晴らしいです。

そして今回、何と言っても、会場の空気がすっごくよくって…! 会場の空気、観客のノリっていうものが、これほど大事なものだと実感させられたのは初めて! 観客の合いの手、かけ声、囃し立てで、会場の空気は盛り上がりまくり! 観る方も通というかプロというか…。歌舞伎などでは、目の肥えたお客さんが、絶妙なタイミングでいい声でこう、かけ声?をかける…みたいな話を聞いたことがありますが(実際観に行ったことはないですが…)、たぶん、それと似たような感じ? 舞い手さん達のテンションも上がるし、相乗効果! 楽しい熱気に包まれて、うっきうき、神楽を観る楽しさが何倍にもなりますね!






名残惜しいけれど、能場公園ともお別れ…御嶽神楽、めっちゃよかった!! また観に来たいよー!!





シャトルバスで豊後清川駅へ。山の中だから真っ暗です。

余談ですが、バスの中、酔っ払ったおじさんの話が、ヘンで不思議だったなぁ。「この辺にはカッパがおる。神楽はあいつらみんなカッパじゃ」とか何とか。あの毛頭のこと!? てっぺんお皿みたいだし…と思ったら、そうではなくて、あの飛んだり跳ねたりがカッパだと言ってる様子。なんか斬新な発想!(笑)

それはさておき。豊後清川からひと駅、隣の三重町で降りて、今日のお宿ヘ。やはり神楽に夢中で、ろくに夕飯食べれなかったので(おにぎりひとつくらい…)、改めてちょっとお夜食。五穀舞の餅まきでもらった紅白もちを、そのままじゃ味気ないので持ってきた板チョコと一緒に食べるとけっこういけます(邪道?) 道の駅で買った神楽餅は、明日の朝ごはんに。

さぁ、今日はまだ序の口、交通手段も比較的整ってて、わりと楽勝な神楽鑑賞でしたが…。明日はこの旅1番のハードな1日になりそうな、佐伯市宇目小野市・弥生川中への神楽巡り!(豊後大野市清川もそうだけど、「市」…というと、街なイメージですが、市町村合併で市になる以前は村・町だったところなので、けっこうな山奥です) ゆっくり休んで明日に備えよう! 明日はどうなることやら…



神楽の共演(長浜神楽・宇目神楽)レポに続く