2009日本石見神楽大会 レポ



2009年11月22日 島根県浜田市、2009日本石見神楽大会を観に行ってまいりました





日本石見神楽大会…石見神楽の盛んな町、島根県浜田市にて、選りすぐりの神楽社中さんが一堂に会して、毎年開催されている、石見神楽の一大イベントです。しかも、今回は12年ぶりにゲストとして、大分県の庄内神楽の雲取神楽社さんが参加されるという…こ、これはぜひとも観に行きたい!!

石見神楽の本場で、生の石見神楽フルコース! そして、前から旅してみたいと思いつつ、まだ訪れたことのなかった島根…。今回、島根旅と称して、今回の大会で披露されるような島根・広島・大分の神楽は初めてという友人達を2人、巻き込むことにも成功して…これは楽しくなりそう!!



 


早朝5:30、JR浜田駅。大阪から、夜行バスで7時間、浜田に到着です!

真っ暗です…もちろん時間をつぶせるようなお店も開いていません。ありがたいことに、ネット上でやりとりさせていただいていた、浜田在住の大の神楽好きのお友達にお声をかけていただいて、お家にお邪魔させていただけることに。わ〜楽しみ! 早朝からすみません…本当にありがとうございます!



 


お友達のお家は、手作りのお人形や神楽面(神楽面の手作り教室があるそうで…さすが浜田!)、神楽グッズ(カレンダーなどなど)だらけで…お部屋を見ているだけで楽しい! なんと、以前、内職で、神楽衣装を縫っていらしたそうで(100着以上は縫ったんだとか…本当すごい!)、その時の余ったはぎれなどを見せていただきました。この細かくて美しい刺繍! すごい…!

はぎれぐらいの大きさでも、数千円くらいはするそうで…そりゃそうですよね、この豪華さ! いつも遠くからしか観ることができなかった神楽衣装の素材を、こんな間近で見ることができるなんて…嬉しい! お絵かきの参考にさせていただこうと、写真も撮らせていただいたり…もうもう感謝感激です!






楽しくおしゃべりしているうちに、そろそろ会場へ行くお時間に。

鍾馗(しょうき)の石像や、五神のパネルなどなど…街全体が神楽に染まっててほのぼの♪





浜田駅前のこのアーチ、かわいい! どんちっちって響きがまたかわいいですよね。

にぎやかなお囃子を聞いて、子供達が神楽のことを「どんちっち」と呼ぶようになったんだとか

駅から徒歩5分もかからないくらいの会場に着くと、まだ開場前ですが、表に長蛇の列! やはり、いい席をとるために、みんな早くから並んでいるんですね。お友達が気をきかせて、「朝8時になったら浜田駅前の神楽時計が動き出すから、観に行っておいで」とおっしゃってくれて…そ、それは観たい!! お言葉に甘えてお友達に列に並んでもらって、私は浜田駅前へ(本当ありがとうございます…!)






どんちっち神楽時計。まだかまだかとわくわく待っていると…

閉まっていたシャッターが開き、舞台がせり上がって、お囃子が始まりました!





8:00〜21:00まで、毎正時にからくりが作動するんだそうです。ミニチュア大蛇とスサノオの対決、そしてミニチュアお囃子のみなさん! か、かわいい…! どこの社中さんのお囃子を録音しているのかな? お人形はミニチュアだけど、掛け声もちゃんと入っていて、すっごいリアルなお囃子です!



 


再び会場へ! 列はますます伸びています。

(この写真は退場時に撮ったものなので、列は写っていませんが…)

8:30の開場やいなや、みなさん、すごい勢いで場内に突入! ちょっとでも、いい席で観たいもんね。入ってみたら、かなり大きなホールで、思ったより混まずに、わりと舞台から近いいい席GETです!

スタッフさんに、写真撮影OKかどうか、おそるおそる尋ねてみたら… スタッフさん「はいどうぞ」 私「えっ!? い、いいんですか?」 スタッフさん「はい大丈夫ですよ」 あまりにもあっさりOKなので、もう一度聞き返しちゃいましたよ(笑) やったー!! ダメかもと思っていたのに…嬉しい!!

別々に浜田入りした友達二人とも無事合流。友達二人とも、島根・広島・大分の神楽は初めてだから、どうなんだろう、楽しんでもらえるかな…と、ドキドキしつつ…さぁ、いよいよ始まりです!






最初の演目は、石見神楽 細谷社中さんによる「天神」です。

わーい、天神! 殺陣がかっこよくって、大好きな演目です!


 


道真と随身が登場。道真さん、最初から素面でちょっとびっくり。

祇園祭で観た久佐西組神楽社中さんの天神では、最初は面を着けて登場し、

途中から素面でしたので…やはり社中さんによって、演出が違うんですね。





細谷社中さんの天神は、スタイリッシュで華麗な雰囲気ですね

素面で正解だと思います、舞い手さんの表情、雅な面立ち…道真、随身の雰囲気にぴったりです!


 


この衣装がまた素敵!

この配色、柄合わせ…舞い手さんの魅力をさらに引き出すいい衣装です。





口上も素敵で…! 道真と随身のやりとり。

石見神楽では、みなさん本当によく鍛え磨き上げられたいい声の演技をされますよね!


余談ですが、後に友達としゃべってて、「パンフのあらすじ読んで、道真が鬼になって出てきて、やっつけられる話かと思ったよ」と、友達。ち、違――う!!(笑) し、しかし、このパンフのあらすじでは、確かにそう思っても仕方ないかも…! パンフのあらすじは以下の通り。

『菅原道真が五朝廷に仕え、右大臣にまでなった時、左大臣藤原時平にねたまれついに筑紫大宰府に左遷され、その地で生涯を終えます。道真の死後、京で天災が続き、道真をおとしいれた人達に災いが生じます。いつともなくその災厄は道真の仕業であると、人々は考えるようになりました』



 


しかし観終わって、「無念の死を遂げた道真が京に災いをもたらすのを、随身が止めて、本当に討つべきなのは時平だと告げて、納得した道真が時平を倒す…って展開だったのかな?」と、友達。す、すごいよ…! 初めて観るのに、私より断然素晴らしい読解力!






来た!! 時平登場です!



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